旦那の浮気相手と3人で話し合うべき内容は?知っておくべきリスク

文責:所長 弁護士 羽藤英彰

最終更新日:2025年01月07日

 旦那(夫)に不倫された場合、浮気相手と話し合いたいと思う方もいらっしゃるでしょう。

 関係を精算させるためにも、きちんと話し合って慰謝料を受け取ることは大切です。しかし、話し合いにより余計なトラブルを招くのは避けるべきであり、無闇に会わない方が良いケースもあります。

 今回は、旦那(夫)の浮気相手と3人で話し合いを行う前に知っておくべきこと、実際の話し合いで聞くべき・話すべきことをお伝えします。

1 不倫慰謝料請求の話し合いの準備

 3人で話し合いを行う前に、ある程度の準備が必要です。何の準備もしないと、相手と話がこじれるだけで時間を消費してしまう可能性があります。

 そこで、話し合いの前に準備すべきポイントをお伝えします。

⑴ 話し合いの具体的な目的を決めておく

 自分・旦那(夫)・不倫相手の3人で話し合うべきだと考えるその目的は何でしょうか?

 この答えは人によって異なると思いますが、多くの方は①不倫関係を終わらせる、②慰謝料の請求をする、ではないかと思います。

 確実に目的を達成したい場合は、話し合いの前にしっかりと準備しておく必要があります。

 というのも、事前に何を話すかを決めておかないと、その場で怒りがこみ上げてしまい、冷静な話し合いができない可能性があるからです。

 まず、①不倫関係を終わらせるためには、誓約書にサインをしてもらうことが有効です。

 「今後、二度と会わないこと、もし2人で個人的に会うようなことがあった場合は、慰謝料として○○円支払ってもらう。」という内容を事前に決めておきましょう。

 ここでは、具体的な金額を決めておくことが重要です。

 会社の同僚など、毎日会う機会がある場合は、「仕事以外で会わない」など、さらに踏み込んだ内容を決めておくと良いでしょう。

 ②不倫に対し慰謝料を請求する場合も同様です。

 まずはいくら請求したいのかを決めておきます。

 事前に慰謝料の相場を調べておき、いくらくらいが妥当な金額なのかも知っておくと良いでしょう。

 その上で、いつまでに支払ってもらうのか、いくらまでなら減額しても良いのか、などの条件を決めておきます。

 事前にこれらを決めておくことで、スムーズに話し合いを進められるでしょう。

 そして、示談交渉を行う前に、あなたが示談によって相手へ行う要求を書面にまとめておきます。

 慰謝料請求をする金額や支払い条件、接近禁止の約束を破った場合の処置なども盛り込んでおくと良いでしょう。

⑵ 示談書を必ず作成する

 上記で決めた内容は、通知書(慰謝料請求書)という形で事前に書類を用意しておくことをおすすめします。相手が内容に合意した場合には、すぐに書面にまとめられるからです。

 最初に会った時も、「まずはこれを読んでください」と言って、慰謝料請求に関する内容をその場で読んでもらうことにより、話を進めやすくなります。

 もちろん相手も反論してくることが想定されるため、すぐに合意には至らないかもしれません。

 ただ、多くの場合においては、金額面での交渉となります。

 減額してもらえれば払えると言う方も多いので、通知書以外にも同様の内容に金額だけを空欄にした示談書を2通(1通ずつ持ち、それぞれが保管するため)用意しておけば、合意できた場合にすぐにサインしてもらえます。

 口約束で終わらせず、きちんと書面で示談合意を行うことが大切です。

2 当事者同士だけの話し合う場合のリスク

 専門家抜きの当事者間で話し合う場合、どうしても示談に関してリスクが発生します。
 どのようなリスクがあるのか紹介しますので、事前に理解していただければと思います。

⑴ 示談がなかなかまとまらない

 旦那(夫)の浮気相手を含めた3人で話し合いを行う場合、大事にせず内々に解決できる・費用を節約することができる・自分が主導することで納得して解決できる、といったメリットがあります。

 不倫について、できるだけ周囲に知られたくない気持ちから、ご自身で解決しようと考える方が多いように見受けられます。

 たしかに不倫は周囲に知られなくない事実ですので、当然といえるでしょう。

 しかし、これにはリスクも伴います。
 一番大きなリスクは、示談がまとまらないことです。

 慰謝料の請求を行うと、ほぼ必ず相手は反論してきます。

 よくあるのは、「不倫なんてなかった」「強要された」「既婚者だと知らなかった」という反論です。

 このように反論されると、「不倫の事実さえ認めないのか」と怒りがこみ上げ、冷静な話し合いができなくなってしまう方もいらっしゃいます。

 また、相手も「弁護士がいないなら否定しておけば大丈夫」と安易に考えている場合があります。

 そのため、お互いが感情的かつ敵対的になってしまい、話し合いが進まないことがよくあるのです。
 そうなると、示談の成立は遠のいてしまいます。

 最終的には裁判になってしまうこともありますので、話し合いの際は冷静に話を進めるように心がけることが大切です。

⑵ 第二のトラブルを招く可能性がある

 人によっては、不倫のトラブルだけでなく別のトラブルを招いてしまうこともあります。

 例えば、相手が不倫を否定し続けたとします。

 そうすると、不倫された配偶者は怒りがピークに達してしまい、「もし不倫を認めないなら、職場にバラします」など、相手を脅迫するような文言を口にしてしまうことがあります。

 実は、これはよくあるケースです。

 ご自身は十分に冷静になっていると考えていても、実際に会ってみると相手の態度に憤慨し、不適切なことを口走ってしまうケースはよくあります。

 「誰かにバラす」という言葉や「支払わないとバラす」というセリフは、刑法上の強要罪や脅迫罪に当たる可能性があります。

 相手が警察に報告したら、逆にこちらが加害者になったり、慰謝料を請求される側になってしまったりすることも、現実にありうるのです。

 このような第二のトラブルを防ぐためにも、相手を脅すような言い方、表現は決して使わないようにする必要があります。

3 不倫慰謝料の話し合いに弁護士を挟むメリット

 浮気相手と3人で話し合いを進めることを検討する前に、まず弁護士に相談してください。

 弁護士に相談すると、上記のリスクを避けられるだけでなく、別のメリットも得られます。

 以下に、弁護士に相談するメリットをご説明します。

⑴ 適切な額の示談金を受け取ることができる

 「不倫慰謝料の額っていくらが相場なの…?」
 これは多くの方が持っている疑問です。

 相手に確実に支払ってほしいからこそ、妥当な金額を請求したいでしょう。

 インターネットを使って相場を検索する方もいらっしゃるかと思いますが、妥当な慰謝料のケースは個々のケースの事情によって異なるため、ご自身のケースにぴったり当てはまるわけではありません。

 そんな時は、弁護士に相談してください。

 ご自身のケースでいくらくらいを請求するのが妥当なのかを確認できます。

 また、相手が減額を交渉してきた際にどのように対応すべきかのアドバイスももらえるでしょう。

 事前に相談しておくことで、慰謝料の通知書などもきちんとしたものが作成できるので、安心して話し合いを進められます。

 ⑵ 冷静に話し合いを進めて、トラブルを回避できる

 慰謝料請求に関する話し合いや交渉を弁護士に任せることもできます。

 弁護士に交渉を任せてしまえば、弁護士が代理人となって交渉することになるため、より適切に主張を行うことができ、ご自身で交渉するよりも慰謝料を増額できる可能性があります。

 また、弁護士を挟むと相手も真剣に受け止める可能性が高くなり、交渉がスムーズに進みます。

 弁護士が交渉することにより、依頼者の方は話し合いをせずに済むため、余計な怒りに振り回されることなく、第二のトラブルも回避できるでしょう。

 弁護士が代理で交渉してくれることにより、冷静かつスムーズに交渉を進められるというメリットがあるのです。

⑶ きちんとした示談書を作成してもらえる

 ご自身で示談書を作成する際は不安も大きいでしょう。いくら念入りに調べたところで、法的に有効なものを書くことができているのか一般の方では見分けられないことも多いです。

 弁護士に相談すれば、示談書や慰謝料請求の書面で欠けているところがあればきちんとチェックしてもらえます。

 勿論、弁護士が1から示談書を作成することもできます。

 口約束だと後で「言った・言わない」で揉めることが多くなりますが、弁護士がアドバイス・作成した書面であればこのような後のトラブルも回避できるでしょう。

 内容に関しても、より適切な内容の示談書を作成することができ、当事者の両方が納得して合意できるはずです。

 弁護士に相談すれば、法的知識を具備した示談書を作成できるというメリットがあります。

4 浮気相手に会う前に弁護士に相談を

 不倫慰謝料請求は、法律問題の中でもこじれやすい案件といえます。

 弁護士に相談にきた際には、すでに第二、第三のトラブルに発展しているケースも多くあります。

 もっとも、このようなトラブルになってしまった方の多くは、「穏便に解決したい」と考えていた方といえます。

 スムーズに慰謝料請求、示談交渉を行いたいなら、弁護士にお任せください。
 適切な形で慰謝料に関する問題を解決できるよう、全力でサポートいたします。

 浮気相手と3人で会う前に、弁護士にご相談いただくのがベストな対応と言えます。

 まずはお気軽にご相談ください。

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