どのような写真であれば不倫の証拠になるか

　不倫慰謝料が発生するための法的な要件のひとつに、不貞行為の存在があります。

　不貞行為は、平穏な夫婦生活を送る権利を侵害する行為であることから、慰謝料の発生原因となります。

　不貞行為とは、基本的には配偶者とその不倫相手との間に性的関係があったこと、つまり性行為またはそれに類する行為があったことです。

　不倫慰謝料請求の際、このような行為を撮影した写真は、不貞行為の存在を強く裏付けるものとなります。

　以下、詳しく説明します。

まず、不貞行為の存在を最も強く裏付ける証拠は、配偶者とその不倫相手との間の性行為やそれに類する行為の写真です。

　しかし、現実的には、性行為等を直接写せるということはあまりないと考えられます。

　そこで、実務上よく用いられるものは、ホテルや不倫相手の自宅等に一緒に出入りする場面を捉えた写真です。

　興信所などに依頼し、配偶者とその不倫相手を尾行して、このような場面の写真を収集することも多いです。

　ホテルや不倫相手の自宅等に一緒に出入りする場面の写真は、不貞行為の存在を強く裏付けます。

　顔や身に付けているものが鮮明に写っていることや、場所や日時が特定できていることも重要です。

　次に、配偶者のスマートフォンに保存されている写真です。

　不倫をしている配偶者のスマートフォンには、不倫相手との性行為の写真が保存されていることがあります。

　また、メールやＬＩＮＥなどで不倫相手と考えられる人物とのやり取りがあれば、さらなる調査の手掛かりにもなります。

　配偶者のスマートフォンを調査する際には、違法行為に注意が必要です。

　まず、勝手にスマートフォンを見るという行為は、場合によってはプライバシー権を侵害したことになり損害賠償請求の対象となります。

　パスワードなどによってアクセスが制限されている場合には、推測したり総当たり攻撃を仕掛けるなどしてパスワードを破ってはいけません。

　この行為は、犯罪となる可能性があります。